肺炎球菌ワクチン(小児用)
肺炎球菌による髄膜炎、菌血症、重症肺炎を予防します。乳幼児期に多い疾患で予後が悪い病気なので、乳児早期からのワクチン接種が望まれます。2ヶ月から接種します。
Hibワクチン
ヘモフィルスインフルエンザ菌b型という細菌の髄膜炎や喉頭蓋炎を予防するワクチンです。一般に言う“インフルエンザ“とは違います。乳幼児期に多い疾患で予後が悪い病気なので、乳児早期からのワクチン接種が望まれます。2ヶ月から接種します。
B型肝炎ワクチン
B型肝炎ワクチンは肝癌予防ワクチンです。
子どもの時かかるとウイルスがからだに残るキャリアになってしまい、将来肝癌になる可能性が大きいウイルスです。母子感染以外に性交渉や血液を介して感染します。
BCG
乳幼児の結核性髄膜炎を予防するワクチンです。生後5ヶ月から接種を勧めています。三重県では小児の結核の発症はほとんどありません。
DPT-IPV (4種混合ワクチン)
D(ジフテリア)・P(百日咳)・T(破傷風)・IPV(ポリオ)を予防するワクチンです。3ヶ月から接種可能のワクチンです。四週間隔で三回接種後、一年後に追加接種を行います。
ジフテリアは日本ではほぼなくなった疾患です。百日咳はまだ流行があり、乳児早期にかかると重症になります。最近は大学生で流行するなど成人での発症が増えています。破傷風は土壌にいる細菌ですのでいつでもかかる可能性はありけいれんなどをきたし重症になることもあります。2000年にWHOにより日本でのポリオ根絶宣言が行われましたが、世界ではまだ流行地があるので接種が必要です。
MR (麻疹・風疹混合ワクチン)
麻疹(はしか)と風疹(ふうしん)を予防するワクチンです。最も重要なワクチンです。1歳になったらすぐ接種してください。小学校入学前の年にも追加接種を行います。
水痘ワクチン
2014年から定期接種になり、1歳時にMRワクチンと同時接種します。2回目は2歳半ぐらいでお勧めしています。3歳を超えると有料になりますので注意してください。
日本脳炎ワクチン
1970年以降ワクチンの普及で患者数は激減しましたが、三重県から九州にかけて患者発生があります。日本脳炎は死亡率が高い病気ですが治療法はなく、ワクチンが唯一の予防法です。6ヶ月から接種します。
DT (二種混合ワクチン)
DPT接種後10年で行う追加のワクチンです。11歳で接種します。P(百日咳)が入っていません。百日咳は成人では重症にならないため除かれていますが、現在その成人の百日咳が増えており、そこから乳幼児に感染することが問題になっています。米国ではすでに百日咳を含んだDTaPというワクチンが接種されています。今後、日本でもDPTになることが望まれます。
子宮頚癌ワクチン
子宮頚癌は20代から30代の女性に増加している癌で、“マザーキラー“とも呼ばれています。ウイルス感染が原因のため、このワクチンで70~80%を予防できます。性行動が始まる前の接種が望まれますが、成人でも接種後の感染を予防できます。3回の接種が必要です。定期接種で中学生から高校1年生まで無料で接種できますが、副反応の報道があり接種を控える人が多い状況です。副反応とワクチンとの因果関係は科学的に証明されていません。子宮頚がんで日本の女性が毎日8人亡くなっています。