中耳炎診療 Examination of Otitis Media

急性中耳炎はほとんどのお子さんがかかる疾患です

急性中耳炎はそれ自体単独で発症することもありますが、多くはインフルエンザ、RSウイルス感染症といった呼吸器感染症の合併症としてみられます。3歳までに約70%の子どもが罹患すると言われていますが、痛みなど伴わずに上気道炎として見逃されている場合もあるため、実際はもっと多いかもしれません。

小児科でも診てくれる ?

米国の小児科学会でが急性中耳炎の治療ガイドラインを作成しているように、診断と初期治療を小児科医をはじめプライマリーケア医は行うべきだと考えます。夜間・休日診療所を中耳炎症状で訪れるお子さんも多いため救急医療でも対応が必要とされています。上記に述べましたが中耳炎は呼吸器感染症の合併症です。耳だけでなく全身の診察が必要です。

急性中耳炎はこわい疾患?

4-2.jpg急性中耳炎の鼓膜所見適切な診断と経過観察がなされれば心配ない疾患です。「放っておくと耳が聞こえなくなるぞ」というのはちょっとオーバーな表現です。
自然治癒傾向の強い疾患なので抗菌薬の投与なしでも治る場合もあります。
しかし、まれですが、慢性中耳炎や滲出性中耳炎に移行したり、重篤な乳突洞炎を合併したり難聴の原因になる真珠腫ができるため注意深い経過観察は必要です。
経過観察とは投薬を続けると言うことではありません。また、経過によっては専門医への受診が必要です。

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