創傷治療 Moist・Wound・Healing

けがをした時のあやまった対応

  • きずを消毒する
  • きずを乾かす
  • きずにガーゼをあてる

どうして消毒をしてはいけないの?

人の皮膚は生きています。生きた表皮細胞が分裂増殖して皮膚を作ります。また、人の表皮細胞は薄い消毒液でも死んでしまうほど弱いものなので、消毒するたびにできかけた皮膚が死んでしまうのです。

消毒しなくてもバイ菌はだいじょうぶ?

人体には白血球などの免疫細胞がありバイ菌を除去してくれます。バイ菌はきれいなきずでは増えにくいので、きずについている泥や汚れをきれいに洗うことが大切です。

どうしてきずを乾かしてはいけないの?

消毒の項目で説明したように表皮細胞は生きた細胞です。植物も水をあげないと死んでしまうように表皮細胞も乾燥させると死んでしまいます。普段は皮膚の表面に皮脂膜と角質層があり乾燥を防いでいます。きずができるとこれらがなくなってしまいます。

どうしてガーゼはよくないの?

ガーゼはもともと水分を吸収してきずを乾燥させるものです。また、きずにくっついてしまい剥がす時に痛くさらにきずを作ってしまうこともあります。

きずはどうやって治るの?

きずができると、まず血小板が集まってきて止血をします。何も処置をしないとカサブタができます。カサブタは消毒から表皮細胞を守り、その下で表皮細胞が再生します。しかし、カサブタはバイ菌や白血球が死んだものが固まったもので痒みも伴うため剥がしてしまい治癒が遅れる原因になります。

新しい創傷治療とは?

ガーゼやカサブタと違う創傷被覆材で、きずを覆い表皮細胞が再生しやすい湿潤環境をつくってあげることです。この創傷被覆材は傷に固着しないため処置時の痛みはありません。クリニックでは色々な被覆材をそろえていますが、家庭では市販されている被覆材(バンドエイドキズパワーパッド、ケアリーヴバイオパッドなど)が使えます。
詳しくはこの治療の第一人者である夏井睦先生のホームページをご覧ください。
LinkIcon新しい創傷治療
LinkIcon家庭でできる湿潤療法

LinkIcon当院での創傷治療

熱傷治療 Moist・Wound・Healing

熱傷も創傷と同じ皮膚欠損です

熱傷も基本的には上記創傷治療と同じ対応でよいでしょう。しかし、熱傷の場合は滲出液が多いため広範囲の場合は輸液などの全身管理が必要になります。

やけどをしたらどうしたらよい?

広範囲のやけどはすぐに受診しましょう。部分的なやけどでしたら流水で長時間冷却しましょう。水疱ができたら破らないようにすれば3~4日で水疱下に新しい皮膚ができています。水疱が破れたら、食品用ラップで覆い早めに受診しましょう。皮膚には何も塗らない方が無難です。

LinkIcon当院での熱傷治療